お金がないの乗り越え方
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こんにちは、越谷市の税理士、恒川です。
先日、「いいことばかりじゃないけど悪いことばかりでもない」という記事の中で、独立当初にお金がどんどん減っていき、日々びくびくしていたことを書きました。
この、お金がないという経験、税理士としては良かったと思っています。
お金がないは良い経験?
お金がない経験が良いと思える一番の理由は、顧問先の気持ち、特にわたしと同じように独立したての方の不安な気持ちを、身をもって理解できたこと。
事業を立ち上げたとき、「売上が思うように伸びない!」とか、「あれ?思った以上にお金がどんどん出ていく、、、!」と感じる方は多いです。
もちろん、独立前からある程度売上の目途が立っている方もいますし、最初から順調にいく方もいるんですが、実際には売上以上に出て行くものが多く、大変な思いをしている方が多いです。
これまでたくさんの独立したて・開業したての方の帳簿を見ているのでよく分かりますが、最初の数ヶ月は、預金残高がどんどん減り、、、法人なら役員借入金がどんどん増えていく、、、なんて状況は珍しくありません。
これまでは「そんなものだよね。それって当たり前だよね。」と他人事のように感じていましたが、今では「分かります!」と共感できます。
ひとりならお金はかからない?
わたしは、従業員を雇わずひとりで仕事をする、いわゆるひとり税理士です。
ひとり税理士って通常あんまりお金はかかりません。
モノを売るわけじゃないから原価がいらないし、ひとりなら人件費もかからず固定費も少な目。
なので、他の職種に比べてお金は残りやすいはずなんですが、わたしの場合、なんだかんだとお金が出て行きました。
まず、イチバン大きいのはレンタルオフィス代。
自宅開業はイヤだったのでレンタルオフィスを借りました。
住所だけそこにするのではなく、実際にそこで仕事をしたかったのでバーチャルオフィスではなくレンタルオフィスに。
デスク、棚、複合機等は備付けなので初期費用はほぼかからないし、家賃も普通に事務所を借りるのに比べれば安いんですが、それでも売上の少ない独立当初は大きな負担でした。
自宅にしておけば年間数十万円は浮くわけで、お金のことだけ考えれば借りない方が良かったのですが、オンオフの切り替えが下手なわたしにとっては必要なことでした。
物理的な距離があることで仕事スイッチが入りやすく、適度なプレッシャーも与えられているので、結果的には良かったと思っています。
もうひとつ大きな出費は、ある飲食関連の協会の入会金・月会費。
税理士がそこの協会に属していることで、顧問先は無料でその協会のサービスを受けられます。
メニュー・看板・販促物等のデザインをしてくれたり、飲食関連のセミナーを受けられたり。
独立前の事務所が加入していて顧問先からの評判も良かったし、新規の顧問先の紹介をしてもらえる可能性もあったので、独立後すぐに加入しました。
しかし、わたしのような小規模な事務所にはマッチせず、結果、思ったほどの効果が感じられず1年弱で退会しました。
他、PC、税理士登録費用や年会費、税務ソフト代、会計ソフト代、セミナーや書籍代なども馬鹿になりません。
特にセミナー代や書籍代。
ひとつひとつはそれほど高くなくても、数が増え、積み重なるとかなりの出費になります。
必要なものではありますが、やはり痛いものです。
お金がないの乗り越え方
お金がないを乗り越える方法はシンプルで、入りを増やすか出を減らすかです。
入りを増やす
入りを増やすとはつまり、売上を上げること。
売上先を増やす、単価を高くする、新しい収入源を見つける、など。
わたしがとりあえずやったのは、売上先を増やす=顧問先を増やすこと。
独立間もない段階で高い単価設定はなかなか難しいのが現実。
とはいえ、低すぎないように意識はしていました。
単価が低すぎれば数を増やすしかありませんが、士業のようにサービスを売る商売の場合、数を増やしすぎれば疲弊するか質が落ちてしまうリスクがあります。
それは避けたいし、避けなければ続けられません。
ただ、高くも安くもない報酬で、地道な宣伝活動(ブログ・税務記事、ソフト会社の紹介制度利用、税理士会に顔を出すなど)だけ続けているのであれば、数が増えすぎる心配はしなくても大丈夫なんですが笑
出を減らす
不要な出は減らす必要があります。
まずは固定費の見直し。
多くの場合、最大の固定費は家賃。
まずはここを見直すべきです。
・・・とは言いつつ、わたしの場合は、上で書いた通りオンオフの区別をつけたかったため、見直しませんでした。
一般的には必要ない、外から見ればムダと思われる出であっても、明確なじぶんなりの理由があれば見直す必要はないと考えています。
他の固定費削減としてわたしが取り組んでいるのは、ペーパーレス化と電話代の抑制でしょうか。
紙ゼロにするのは難しいし、さすがにそこまでは目指していませんが、必要最小限に抑えるようにはしています。
独立前は、紙でのやりとりが多かったんですが(渡すのももらうのも)、独立後は、原則データでのやりとり、紙はイレギュラーという位置づけ。
紙代や印刷代はそれほどかかりません。
事業用の電話は、使う場面が少なく、表に出せる番号があればいいという感覚なので、楽天モバイル月980円だけ。
上で述べた通り、某協会への会費は家賃の次に大きな出であり、効果もなかったことから辞めました。
初めから加入しなければよかったとは思いますが、やってみなければ効果はわからなかったわけで、今は良い経験だったと思っています。
あと、人を雇っていれば人件費の見直しや外注の検討が必要でしょうし、原価のかかる業態であれば仕入れ値の見直しなども考慮すべきです。
まとめ
独立後のお金がない状況は、多くの人が直面する課題です。
でも、入りを増やし出を減らす努力を続けることで、少しずつ状況は改善していくはず。