じぶんの経費に自信を持とう
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確定申告の季節がやってまいりました。
この時期になると節税について様々な情報を目にします。
節税というか脱税まがいのことを発信される方もいて、正直ため息が出ます。
専門家じゃない方が言っている分には聞き流すこともできますが、最近は専門家なのに「それって本当に大丈夫?」というような情報を流している方もいて「むむっ?」と感じることもしばしば。
こじつけはやめましょう。
じぶんの胸に手を当てて考えればなにがこじつけかは分かるはず。
胸張って、自信もって経費と言えないものをむりやりねじ込むのはNGです。
個人事業主の経費って?控除って?
個人事業主が税金を減らすには、売上を減らすか経費や控除を増やすかのどちらかしかありません。
売上を減らしたいと思う人はそうそういないでしょうから、一般的には経費や控除を増やしたいと考えます。
個人事業主の必要経費については、所得税法37条1項において下記のように定められています。
所得税法37条1項(必要経費)
その年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は雑所得の金額(事業所得の金額及び雑所得の金額のうち山林の伐採又は譲渡に係るもの並びに雑所得の金額のうち第35条第3項(公的年金等の定義)に規定する公的年金等に係るものを除く。)の計算上必要経費に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、これらの所得の総収入金額に係る売上原価その他当該総収入金額を得るため直接に要した費用の額及びその年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用(償却費以外の費用でその年において債務の確定しないものを除く。)の額とする。
端的に言うと次のふたつです。
①売上原価やその総収入金額を得るために直接要した費用
②その年に生じた販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用
超ざっくり言ってしまえば、事業に関係するものであればすべて経費になるということです。
控除(所得控除)とは、納税者の個人的事情を加味してひくことができるもので全部で15種類あります。
- 雑損控除
- 医療費控除
- 社会保険料控除
- 小規模企業共済等掛金控除
- 生命保険料控除
- 地震保険料控除
- 寄附金控除
- 障害者控除
- 寡婦控除
- ひとり親控除
- 勤労学生控除
- 配偶者控除
- 配偶者特別控除
- 扶養控除
- 基礎控除
上述の通り売上を減らしたいと思う人はそうそいませんから、なんとか、これらの経費や控除を増やすことで税金を減らしたいとみなさん考えます。(もちろんわたしも。)
「ってことにして」という考えはNG
節税目的で経費や控除を増やすことはOKです。何も間違っていません。
事業に関連する経費は漏らさず計上すべきだし、家賃・光熱費・通信費などプライベートと事業と両方で使っているものは使用割合に応じて按分し事業分はきちんと経費計上すべきです。
idecoや小規模企業共済を活用する、ふるさと納税をする、医療費を家族分も含めもれなくつける、なども有効です。
NGなのは、節税目的で無理やり事実をねじまげて経費を増やすことです。
本当はプライベートで食事しただけなのに取引相手と食事をしたことにして、、、
本当は家族旅行なのに社員旅行ということにして、、、
本当は遊びに行っただけなのに視察ってことにして、、、
こういったことを続けるとどんどんエスカレートしていきます。
外注したことにして、、、
雇ったことにして、、、
売上があったことにして、、、
脱税、粉飾。
どこかで歯止めがきかなくなります。
まとめ
昨年独立したばかり。
今年初めてじぶんの確定申告をします。
当然のことながら「ってことにして」という売上や経費は1円もありません。
例えば、カフェに行ったときそこで仕事をすれば経費に入れますが、ただ本を読んでいただけ、リフレッシュのためのんびりしていただけなら当然いれません。
はたから見たら分かりにくいかもしれませんが、じぶんがよく分かっているので仕事してない経費を入れることはありませんし、逆に仕事したのに経費から省くこともしません。
根拠はじぶんの中にあります。
後ろ暗いところがなければ税務調査があっても自信を持って主張できるもの。
もちろん、後ろ暗いことをしていなかったとしても思わぬところで誤りがあり指摘を受けることもあるでしょうから、「ってことにして」をしなければオールOKとはなりませんが、やみくもなおそれみたいなものはなくなります。
みなさん、胸張って、自信を持って経費と言えるものだけ入れましょう。
税理士らしからぬことを言ってしまいますが、お天道様は見ていますから。