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記帳代行する税理士、しない税理士

税理士が提示する顧問料には、記帳代行料が含まれている場合と含まれていない場合があります。

料金表に、顧問料とは別に記帳代行の金額が示されているか、あるいは、欄外などに「別途記帳代行料金がかかります。」などと記載されています。

記帳代行まで依頼したい方は、顧問料に記帳代行が含まれるか否かを確認する必要があります。

記帳代行とは何か?

記帳代行とは、専門家がお客様に代わって会計ソフトへの入力や帳簿作成をすることです。

専門家(税理士である場合が多い)は、通帳コピー・領収証・請求書等の必要資料をお預かりし、会計ソフトへ入力。その後、結果(試算表)をお客様に提供する、という流れになります。

以前は記帳代行が主流でしたが、クラウド会計の登場により、自社で入力を行う「自計化」も増えてきました。

クラウド会計は、同期機能が充実しています。銀行口座やクレジットカードを連携させれば手入力する必要はありません。確認作業は必要ですが、いちから手打ちする必要は無いのでとても楽です。

また、直感的に操作ができる仕様になっているため、簿記の知識がない人であっても利用しやすいと思います。

くわえて、ネット環境があればどこにいても、またどんな端末からもアクセスすることができますので、数値をリアルタイムで知ることかでき、迅速な経営判断をすることが可能です。

こういったメリットが注目され、クラウド会計や自計化が段々と増えてきています。(クラウド会計=自計化というわけではありません。クラウド会計を使いつつ入力は税理士事務所に依頼したり、従来のインストール型の会計ソフトを使いつつ自社で入力、というパターンももちろんあります。)

わたしの選択

わたしは、記帳代行をする税理士になる予定です。

本業に集中していただける環境をつくることが税理士の役目だと思っているからです。

クラウド会計により入力作業が以前に比べて楽になったことは事実ですが、それでもやはり自分でやるとなるとそれなりに手間と時間がかかります。

今勤務している税理士事務所は8割記帳代行、2割自計化です。以前、勤めていた歯科専門の税理士事務所は10割記帳代行でした。

昔からある税理士事務所は記帳代行が多く、ひとり税理士や若い先生方は自計化が多いイメージです。

これまで、あらゆる業種のお客様に対応してきましたが、お医者さん、歯医者さん、料理人など、現場で働くタイプの経営者の場合、自計化は結構ハードルが高いなと感じています。

経営者が男性で、奥様がサポートしてくださるような場合には対応することも可能ですが、女性が経営者の場合は、旦那さんが手伝ってくれることはほぼなく全部自分でする必要があります。小さなお子様がいるような場合は、さらに時間確保は難しくなります。

こういった現場に立つタイプの経営者の場合は、本業に集中できる記帳代行があっているかと思います。

一方、常にPC の前でするような仕事であれば、自計化は導入しやすいと思います。

記帳代行のメリット、自計化のメリット

簡単にそれぞれのメリットをまとめます。

記帳代行のメリット
 ・会計処理の負担が減り、本業に集中できる
 ・専門家が入力するので、精度の高い試算表が作成できる

自計化のメリット
 ・数値をリアルタイムで把握できる
 ・記帳代行料を払う必要がない

ひとり税理士として独立開業する予定なのですが、ひとり税理士の場合、「記帳代行は行わない」という事務所が多いです。記帳代行は時間がかかり、ひとり税理士だと対応するのが大変という理由があります。

ただ、わたしは前職の歯科専門事務所での経験から、顧問先の数を絞ること、ある程度業種を限定すること(特化しなかったとしてもある程度まで業種を絞れば、会計処理が同じで流れがパターン化でき作業がスムーズになる。)、なんでもやりますはしないこと(相続も、資産税もやります! はしない。)により、ひとり税理士であっても記帳代行は可能であると考えています。

一概にどちらがいいとはいえません。記帳代行にするか、自計化にするか、それぞれのメリットを検討し、自社に合った方法を選択することをおススメします。

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