裏の顔なんてみんなある
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先日、白蔵盈太さん著「実は、拙者は。」を読みました。
わたしは、本来、当時の情景が頭に思い浮かぶような王道の時代小説が好きです。
義理人情や矜持(プライド)を命よりも大切にする感じとか、
当時のセリフの言い回しなんかが好きなのです。(といっても難しいものは無理なんですが。。。)
なので、現代に寄せたポップすぎる感じの白蔵さんの作品は理屈としては好みではありません。
なんですが、楽しめました^_^
時代小説というくくりではなく、白蔵さんという別ジャンルのモノとしてとらえている感じです。
また、本作も面白いんですが、処女作「あの日、松の廊下で」も最高です。
これまで読んできた時代小説とは全く違う視点と解釈で、
史実に基づく作品なんて苦手なのになぜかすっごく楽しめました。
特に吉良びいきの人は是非一度読んで頂きたい。
当時のブログ:白蔵盈太さん著「あの日、松の廊下で」が面白い
裏の顔なんてみんなある
話しを戻して、本作「実は、拙者は。」は、登場人物全員が裏の顔を持っているという設定です。
フィクションだしコメディ要素が大きいので、本作に出てくる裏の顔はインパクト大なものばかりなんですが、
まぁ、現実世界でも大なり小なり裏の顔なんてみんな持っているよね?と思っています。
「裏の顔」とはWeblio辞書によると
①普段は表に出ないその人の内面に秘めた性格や人間性などを意味する表現。
②その人が普段とは違った地位や職業についていることを意味する表現。
とのこと。
「表に出ない部分=隠している=悪」というイメージなのか、ネガティブな表現として使われることが多いですよね。
- 一見穏やかで親切そうに見えるのに、裏では冷酷
- 職場ではまじめなのに、プライベートで過激な趣味を持っている
- 表では友好的なのに、裏では他人を批判している
- 表面上は信頼できそうに見えるのに、裏では裏切っている
- 公共の場で道徳的な話をしておきながら、裏では違法行為をしている
など。
「あの人には裏の顔がある」なんて聞くと、上記のように「どんな悪いことを?」と想像してしまいがち。
ただ、Weblio辞書通りに解釈するのであればポジティブな裏の顔だって当然あります。
例えば、
- 表向きは厳格で冷たい印象だけど、裏では困っている人に手を差し伸べる人
- 普段は普通のサラリーマンだけど、裏では才能豊かなミュージシャン
- 表では普通の生活を送りつつ、裏ではボランティア活動を行っている
- 表向き平凡な生活を送っているが、裏では早起きしてランニングしたりスキルアップのための勉強をかかせない
など。
裏の顔=悪ってわけじゃないことだけは理解しておきたいですよね。
表の顔もひとつじゃない
さらに言えば、表に出ている部分だってひとつじゃない。
相手によって見せる顔って全く違います。わたしもそうです。
家族、友人、仕事仲間、わたしのすべてを知っている人はいないし、それぞれに見せている顔だって全く違います。
- 親から見たわたし→しっかりもの、うるさい
- パートナーから見たわたし→ポンコツ、ズボラ
- 友人Aから見たわたし→優しい
- 友人Bから見たわたし→冷たい
- 先輩Cから見たわたし→子分肌、ひとなつっこい
- 先輩Dから見たわたし→おとなしい
- 後輩Eから見たわたし→相談しやすい
- 後輩Fから見たわたし→こわい
裏の顔というと大袈裟に聞こえるかもしれませんが、
いつも見えている面と違う一面が見えたらそれはもうその人にとっては裏の顔なわけです。
誰でも秘密を抱えているだろうし、
すべての人に隠し事ひとつなく生きている人なんていないだろうし、
誰に対しても同じ面しか見せていない人なんてのもいません。
ということは、結局、みんな裏の顔があるってことになりますよね。
裏の顔はあっていい
結論、裏の顔ってあるのが当たり前だし、それが自然だよなと思います。
人を見るとき、じぶんから見えている面が全てではないということは忘れないようにしたい。
隣の芝生って青く見えがちだけど、実際には、誰にも言えない隠しごとがあったり、
おいそれとは相談できない悩みを抱えていたりするものです。
ある一面を見ただけでその人を決めつけたりせず、人それぞれ事情があるってことを慮れる人になりたいものです。