法定相続情報一覧図って何?
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こんにちは、越谷市の税理士、恒川です。
法務局で「法定相続情報一覧図」の認証を受けておくと、戸籍謄本等の束の代わりとして各種相続手続に使うことができ便利です。
法定相続一覧図とは?
「法定相続情報一覧図」とは、相続人や相続関係を一覧形式でまとめた図です。
戸籍謄本などの一式とともに法務局に提出すると、登記官がその内容が民法に基づく相続関係と一致しているかどうかを確認し、認証が付いた一覧図の写しを無料で交付してもらえます。
この制度は、平成29年5月に創設された「法定相続情報証明制度」に基づくものです。
・相続税申告
・相続登記
・金融機関や証券会社の手続き
・生命保険金の請求
など、幅広い手続きに利用できるためとっても便利。
相続手続きが複数ある場合におススメです。
まずは市区町村役場で必要資料を集める
まずは、必要な資料を各市区町村役場で集めます。
必要な資料の一覧はこちら。
ポイントをいくつかピックアップします。
それぞれについて少し解説を加えます。
戸籍謄本は本籍地以外でも取得可能
必要資料の①や③記載の戸籍謄本は、従来本籍地のある市区町村でしか取得できませんでした。
が!令和6年3月から始まった広域交付制度により、現在は、本籍地以外の市区町村でも取得可能になっています。
本籍地が離れているような場合にはとっても便利です。
ただ、2点ほど気を付けて頂きたい点が。
ひとつは、戸籍抄本や⑦記載の戸籍の附票は対象外だということ。
②住民票の除票が準備できない場合、⑦戸籍の附票が必要になりますので、該当する方は注意が必要です。
ふたつめは、広域交付制度を利用できるのが、本人、配偶者、直系尊属(父母、祖父母など)、直系卑属(子、孫など)に限られているということ。
つまり、上記以外の代理人(専門家含む)は利用できないということです。
任意ではあるが、相続人の住所は記載すべき
この一覧図に、相続人の住所を記載するかどうかは任意です。
載せても載せなくても良い。
ただ、記載しておいたほうが便利です。
理由は、結局後で住所確認のため住民票が必要になる場面が出てくるから。(よくあるのは相続登記)
後で住民票が必要になるんであれば、この段階で提出しておいて住所を記載しておいた方が効率的です。
戸籍謄本等の原本は手続き完了後返却される
手続き完了後、提出した戸籍謄本等の原本は返却されます。
ただし、④申出人(相続人の代表者)の氏名・住所を確認することができる公的書類として「住民票の写し」を選択した場合(つまり⑤の資料を援用)、この住民票だけは返却されません。
住民票を含むすべての原本を返却してほしければ、④は運転免許証やマイナンバーカードのコピー(原本証明つき)を選択しましょう。
手続き、写しの交付、共に無料
この制度、嬉しいのは無料な点。
市区町村役場で戸籍謄本等の取得をする際には当然手数料がかかりますが、この手続きのために法務局に払う手数料はゼロ円です。
手続きだけでなく、認証された「法定相続情報一覧図」を取得する際もお金はかかりません。
法定相続情報一覧図をつくる
資料収集が終わったら次は、法定相続情報一覧図をつくります。
法定相続情報一覧図というのは、法務局がつくってくれるわけではなく申出人がじぶんでつくるものです。
(法務局は、申出人が作成した法定相続情報一覧図に誤りがないかを確認し認証をしてくれるというだけ。)
法務局HPにひな形「主な法定相続情報一覧図の様式及び記載例」がありますので、こちらを利用します。
・法定相続人が配偶者及び子である場合
・法定相続人が子のみである場合
・代襲相続が生じている場合
など、様々なパターンのひな形が用意されていますので、該当するもの選択しましょう。
↓下記は法定相続人が配偶者と子2人のパターンです。
代理人であれば委任状をつくる
この申出ができるのは被相続人の相続人(当該相続人の地位を相続により承継し者を含む)に限られますが、代理人でも委任状があれば可能です。
代理人となれるのは
・民法上の親族
・資格者代理人(弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士及び行政書士の8士業)
委任状は、法務局HP「主な法定相続情報一覧図の様式及び記載例」にひな形があります。
戸籍謄本等を取得する際の委任状は委任者の自筆でなければいけないことが多いんですが、こちらは自筆ではなく入力したものでOKです。
押印も不要です。
なお委任状以外に下記資料が必要です。
・親族が代理人である場合→申出人と代理人が親族関係にあることが分かる戸籍謄本
・資格者代理人である場合→資格者代理人団体所定の身分証明書の写し
申出書をつくる
申出書は法務局で記入することもできますが、事前に準備していった方がスムーズです。
法務局HP「法定相続情報証明制度の具体的な手続について」に様式と記載例があります。
法務局に提出する
上記すべての準備が整ったら、いよいよ法務局に提出します。
提出できる法務局はどこでもいいわけではなく、下記4つのいずれか。
(1) 被相続人(亡くなった方)の本籍地
(2) 被相続人(亡くなった方)の最後の住所地
(3) 申出人(相続人の代表)の住所地
(4) 被相続人(亡くなった方)名義の不動産の所在地
利便性の良い場所でおこないましょう。
提出してから完成までの時間は法務局によって違います。
1~2週間程度が多いんですが、中には1ヶ月近くかかる法務局もあります。
早目に欲しいんであれば、事前に法務局に問い合わせてみて上記⑴~⑷のうち、最も早く完了する法務局を選択してみるのもいいかもしれません。
最後に
「法定相続情報一覧図」は便利です。
ひと目で相続関係が分かり書類もかさばらない。
そんなに手間はかかりませんので、相続手続きが色々とあって大変だ!という方は、是非、活用してみましょう。