似てない方が感情移入しやすい
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千川冬さんの「料理屋おやぶん」を読みました。
令和6年2月時点で3冊出ています。
千川さんの作品を読んだのは多分初めてなんですがとっても楽しめました。
暗い話、重たい話も大好きなんですが、こういう前向きで明るくエンタメ的に進んでいく話も好きです。
特にちょっと忙しい時期に息抜きとして読むのにぴったりです。
時代小説は感情移入がしやすい
「料理屋おやぶん」は、失踪した父親を捜しに江戸に出てきた娘・鈴が主人公の物語です。
正直なところ、展開が読みやすくて「この先どうなるんだろう?」といったワクワク感はありません。
思ったとおり、想像どおり。
ただ、わたしは先が読めないワクワク感はそう大切じゃなく、登場人物に感情移入できるかどうかというところが重要なので、そういう意味ではとっても満足です。
元ヤクザの親分で鈴の働くみと屋の主人・銀次郎、元殺し屋の弥七、同心の新之助あたりがメインキャラクターとして出てくるんですが、それぞれ魅力的です。(ちょっと皆いい人すぎですけど。)
小説に限らず、ドラマ、映画、漫画などなんでもなんですけど、感情移入できるかどうかってすごく重要ですよね。
分かるわ~ってのが無いとどうにも楽しめません。
で、どんな人に感情移入してきたのか振り返ってみたら、じぶんと全然似てない人とか、環境が全く違う人に対してだって気付きました。
仮に、じぶんとすごく似た設定の人が主人公の小説やドラマがあったとしたら、、、興味本位で見はするでしょうが感情移入はできないかな、と。
設定が似すぎているとちょっとした違和感を見つけて、ここが違うからちょっと分からないな~なんてうがった見方をするであろうことが想像つきます。(嫌な性格。。)
その点、時代小説は時代背景が違うから全然じぶんの置かれている環境と似てなくてすっと入り込めます。
そして、作者が伝えたいであろうメッセージも素直に受け止めることができる。
変な先入観を持つことなく変な違和感も感じることなく、素直に作者のメッセージに耳を傾けることができるんですよね。
海外ドラマも然り
小説は時代小説が好きなんですけど、ドラマだとアメリカの海外ドラマが好きです。
といっても最近のは知らないんですが。。
わたしが好きなのは、ビバヒル、セックスアンドザシティ、プリズンブレイク。
中でも一番好きなのは、ビバヒルです。
1990年代にNHKで放送されていたアメリカのドラマで、40代の人は好きだった人も多いはず。
ビバリーヒルズに住むお金持ちの高校生たちのお話です。(10年続いているので最終的には社会人に。)
日本と違って連日パーティーしたり、仲間内でくっついたり離れたり。
華やかに見えるけど、実際には複雑な家族関係に悩んだり、ドラッグにはまったり、事件に巻き込まれたりします。
陸上部に所属し、まじめに中学生活、高校生活を送り、特段複雑でもない家庭に生まれ、お金持ちでもないじぶんとは180度違う環境なんですけど、ものすごく感情移入してました。
複雑ではなくても家族関係に悩むことはあったし、友人関係がうまくいかないときもあったし、歳相応に恋愛でも悩んでいましたので。
環境も人となりも文化も違いすぎるからこそ、登場人物の発するセリフを真正面から受け止めることができていたような気がします。
まとめ
人それぞれでしょうが、わたしの場合は、生い立ちが似すぎてたり状況が酷似している人間が発するメッセージより、全然じぶんと違う人が発するメッセージの方が素直に受け止められるみたいです。