医療法人が決算後にすべきこと《都道府県への届Ver》
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医療法人を運営する上で欠かせない「登記」と「都道府県への届」。
前記事「医療法人が決算後にすべきこと《登記Ver》」において「登記」についてご案内していますので、
本記事では「都道府県への届」についてご案内します。
なお、届の名称は各都道府県によって多少違います。
また、提出先も一部自治体では都道府県ではなく市町村となっています。
(例えば埼玉県の場合、さいたま市はさいたま市に、他の市は埼玉県に提出。)
決算届・・・毎年
毎会計年度終了後3ヶ月以内に「決算届」を提出する必要があります。
医療法52条第1項
医療法人は、厚生労働省令で定めるところにより、毎会計年度終了後三月以内に、次に掲げる書類を都道府県知事に届け出なければならない。
一 事業報告書等
二 監事の監査報告書
三 第五十一条第二項の医療法人にあつては、公認会計士等の監査報告書
ずっと紙提出でしたが、令和4年3月末決算分からはG-MISへのアップロードによる提出が可能となりました。
決算届の内容は次の通りです。
決算届の内容
①事業報告書
②財産目録
③貸借対照表
④損益計算書
⑤関係事業者との取引の状況に関する報告書
⑦監事監査報告書
各都道府県のHPにひな形があります。
ほぼ毎年同じですが、変更されている年もありますので、
毎回、HPを確認するくせを付けておいた方がいいでしょう。
なお、直近で変更があったのは平成29年4月2日です。
それ以降に開始する会計年度について
⑤関係事業者との取引の状況に関する報告書
が追加されました。
この報告対象となる関係事業者及び取引内容は次の通りです。
関係事業者とは・・・
取引内容とは・・・
ざっくりいうと
「同族関係者またはMS法人と行う1,000万円以上、かつ、事業費用の総額の10%以上の取引」
(医療法人の設立・運営・承継・解散【3訂版】196頁)が該当します。
MS法人をもたない医療法人で該当可能性の高い取引は、
「診療所を理事長個人が所有していて医療法人に貸している。」
という場合です。
この場合で年間取引金額が1,000万円以上なら記載の必要があります。
MS法人との取引については、契約を細分化(給与計算事務・経理事務・経営コンサルタント契約等、業務ごとに細かく契約している)して各取引が1,000万円を超えないのであれば記載しなくてもよいという考えもあるようです。
(医療法人の設立・運営・承継・解散【3訂版】198頁)
なお、この決算届は誰でも閲覧可能です。
閲覧方法は自治体により違います。
例えば埼玉県の場合、県政資料コーナーにいけば置いてありますので
出向けば誰でもコピー可能です。
なお令和5年度からは各都道府県のHPでの閲覧も可能となる予定だそうです。
役員変更届・・・2年ごと
役員(理事・監事)が変更(改選)した場合に必要な届です。
役員の任期は最長2年ですので
多くの医療法人で2年ごとに提出が必要になります。
登記するのは理事長だけですが、役員変更届はひら理事・監事も含みます。
添付資料は「社員総会議事録(役員の就任の承認)」です。
登記事項変更登記完了届・・・毎年
登記事項に変更があった場合に必要な届です。
医療法人は毎年「資産の総額の変更登記」をしますし、
さらに2年ごとに「理事長の変更登記」をおこないます。
よって必ず毎年提出することになります。
添付資料は登記が終わった「登記事項証明書」です。
まとめ
医療法人は「決算」が終わったらひと安心ではありません。
「登記」と「都道府県への届」も忘れずに、必ずセットで対応しましょう。
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