税理士資格のない人が担当になることの是非

こんにちは、越谷市の税理士、恒川です。

税理士と顧問契約を結んだはずなのに、実際に対応するのは税理士資格を持たない職員だった。

というのはよくある話です。

税理士業界では、無資格者が顧問先対応をすることは珍しくありせん。

お医者さん、歯医者さん、弁護士さんなどに依頼して、無資格者が対応することはないでしょうから、税理士業界ってつくづく不思議だな、と思います。

今回は、税理士事務所で「無資格者が担当する」という状況について、自身の経験を踏まえ書いてみたいと思います。

無資格者だからダメってことは無い

税理士資格を持たない職員でも、業界経験が長く、知識や実務能力が高い人はたくさんいます。

わたしの周りにもいました。

 業界経験が長く知識・経験が豊富、 コミュ力もあって顧問先対応も上手、という人が。

 代表の先生が高齢で威圧感があるような場合、相談しやすい「優秀な担当者」というのは顧問先にとってありがたい存在だったりします。

税理士って資格取得まで5~10年位かかります。

長い時間がかかるゆえ、働かず試験勉強に専念しているという人は少ないです。

多くの人が税理士事務所で働きながら資格取得を目指しているため、無資格のまま顧問先対応をする状況が生まれやすい。

わたし自身も約10年間、無資格状態で税理士事務所に勤務し多くの顧問先を担当してきました。

その経験も踏まえて言うと、知識・経験が豊富で対応も丁寧であれば、資格の有無はそれほど重要ではないと考えています。

税理士資格がなくても、顧問先の課題に的確に対応できる知識やスキル、そして顧客との信頼関係がしっかりと築けていれば、むしろその人の人柄や実務能力の方が重要だと思うからです。

もちろん、無資格者の後ろには税理士がいて、しっかりと管理・監督しているというのが大前提です。

無資格であることのリスクは?

基本的に無資格者が担当することは良いと思っているんですが、リスクがないわけではありません。

イチバンのリスクは、担当の当たり外れです。

税理士と契約するときに担当者が同席するなんてことは、原則ありません。

ということは、良い担当者にあたるかどうかは「運次第」ということになってしまいます。

経験豊富で頼れる担当者がつけばヤッター!ですが、知識や経験が浅い、対応が雑など悪い担当者にあたってしまったら悲惨です。

よっぽどひどい担当者であれば変えてほしいという要望も出せると思いますが、ちょっと頼りない、なんとなくイヤくらいでは担当変更って言い出しにくいものです。

また、担当変更の可能性があるというのもリスクのひとつです。

税理士業界は離職率が高く、職員が退職や転職するケースが少なくありません。

また、資格取得後に独立を目指している人も多いため、担当者が頻繁に変わることがよくあります。

「前の担当者はすごく良かったのに、次の担当者はちょっと、、、」といったケースが多いのも現実です。

最後に、税務上の判断は下せないという点も忘れてはいけません。

無資格者には税務の最終判断や責任を負う権限がありません。

税務調査での対応や、グレーゾーンの判断が求められる場面では、必ず有資格者である税理士が関与します。

どれだけ優秀な担当者でも、最終的な責任を取れるのは税理士だけ。

この点は、無資格者担当の根本的な制約として理解しておく必要があります。

最後に

当事務所は「ひとり税理士」なので、無資格者が対応することはありません。

ホームページにも「すべての対応を代表税理士が行います!」と明記しています。

ただ、ここまで書いてきた通り、無資格者がダメなんてことは思っていません。

むしろ、無資格時代に支えてくれた事務所や顧問先には感謝しています。

そうした経験があったからこそ、今のわたしがあるのは間違いないので。

ただ、どんな担当者になるか「賭け」みたいなことはできないというニーズがあるのも事実なのであえてアピールしています。

これからもじぶんなりのやり方で、顧問先の信頼にこたえ、業界に少しでも恩返しできるよう努力していきます。