

定額減税っていったい何だったのか?
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こんにちは、越谷市の税理士、恒川です。
先日、税理士会支部例会で、税務署から
「定額減税に関連する誤りが多く発生しています。税務署も対応はしているんですが、、、先生方におかれましても再度誤りがないか確認し、必要であれば修正をお願いします。」との案内(お願い?)がありました。
本人分3万円は予定納税からすでにひかれている
税務署の指摘する誤りの内容とは、「予定納税額の入力ミス」です。
予定納税とは所得税の前払いのこと。
前年の所得金額や税額を基に計算した予定納税基準額が15万円以上の場合、7月と11月にそれぞれ基準額の3分の1ずつを納める必要があります。
例:予定納税基準額30万円
7月…10万円/11月…10万円
ところが令和6年だけは、7月分の予定納税から「本人分の定額減税3万円」があらかじめ差し引かれていました。
(+納付期限も9月に変更)
上記の例でいうと、令和6年だけは
9月…7万円/11月…10万円
になっていたということです。
ということは、確定申告書の予定納税額欄には、実際に納付した17万円と記載しなければいけないんですが、いくつかの申告ソフトが例年どおり20万円を自動入力してしまい、減税額を二重で控除してしまう例が続出してしまったとのこと。
というわけで、現在、税務署はその確認と是正に追われているようです。
みんな大混乱
減税って、本来はうれしいはず。
なのにこの定額減税、仕組みが複雑すぎて誰も得を実感できませんでした。
・会社は複雑な給与計算と年末調整に四苦八苦
・サラリーマンは手間はかからなかったものの、天引きがちょっと少なくなる程度なので減税の実感なし
・税理士をはじめとする専門家は制度理解と顧客への案内に膨大な時間を消費(&報酬には反映しづらく、、)
・個人事業主は「予定納税から3万円引かれている」事実を知らず入力ミス多発
・給与ソフト会社はわずか1年限りの制度のために改修を余儀なくされる
・税務署はクレームの窓口となり疲弊
、、、、、、、、、、、、
愚痴を言っても始まらないことは百も承知ながら、一言で感想をまとめるなら――
「コストと手間にまったく見合わない、世紀の愚策だった」
です。
税制は“簡素”であるべき
税の三原則ってご存じでしょうか?
- 公平
- 中立
- 簡素
この「簡素の原則」、どこいっちゃったんでしょうか?
給付も含めた定額減税の全体像なんて、きちんと把握できていた方なんてほぼいません。
簡素にしなかったがゆえ、納税者も税務署も税理士も疲弊し、誤りも多発。
いくら専門家が頑張って「分かりやすく」説明しようとしても、制度そのものが複雑だと限界があります。
最後に
定額減税だけでなく
電子帳簿保存法
インボイス制度
どんどん複雑になる年末調整
etc
どれもこれも、専門家でさえ分かりにくい。
税制に限らずですが、どんな制度であっても、もっとシンプルで分かりやすくあるべき。
複雑すぎる仕組みだとせっかくの恩恵が受けられなかったり、受けたとしても実感が薄かったり。
また、正しい処理ができているか常に不安がつきまとう感じも精神的によくない。
制度の複雑さで現場が振り回されるこの感じ、もうそろそろ勘弁してほしいところです。
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